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お金の関係

第17章 思い出して



充「…!?」

白石「充様、まだ起きていらしたのです
か?」

充「仕事が終わらなくてな…」

白石「…」



ごみ箱に入り切らず
部屋中のあちらこちらに散らばる
途中書きや大きな×(バツ)が書かれた
デザイン画の数々
その様子から
かなり
ギリギリの状態だったようだ



白石「少し休まれたらどうですか?」

充「もう少ししたら休む、だから白石は
先に休め」

白石「かしこまりました」

充「…」

白石「充様」

充「何だ」

白石「明日、私は詩織様のお宅に借金の
回収に行って参ります」

充「大金だからな、詩織の父親に負担を
かけないように一度に回収せず何回かに
分けて回収しろ」

白石「かしこまりました、では失礼しま
す」

充「…」



白石が部屋を出て行き
部屋の中には充、一人だけになった
自分一人だけで使うには広い、広すぎる
部屋
今までは一度も
広いと感じる事はなかったのに
最近になって急に詩織を追い出した直後
から
そう感じるように
なっていた



充「…考えるな…考えるな、俺…」


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