お金の関係
第17章 思い出して
詩織「…」
白石「どちら様ですか?」
詩織「詩織です、あのっ…私、充さんに
話しがあるんです、たがら…あっ」
白石「どうぞ」
詩織「…」
前のようにまた
門前払いを喰らうかと思ったが
以前とは違う詩織の様子に気づいたのか
白石は門を開き詩織を中に
入れてくれた
詩織「…」
白石「充様がお部屋でお待ちです」
詩織「…ありがとうございます」
白石「…」
手が足が
体全体が震えていた
ドキドキし過ぎて心臓が止まりそうだっ
た
ドアノブに手をかけたまま
上手く回せなかった
緊張していた
詩織「…!?」
充「…」
詩織「あっ」
充「遅い、早く入れ」
詩織「…はい」
突然、ドアが開き
出迎えられる形で部屋に入った詩織
部屋の雰囲気はあまり変わっていなかっ
たが
床には紙や鉛筆が
そこら中に散らばっていた
詩織「…」
充「忙しいんだ、話なら手短に…」
詩織「思い出したんです」
充「何を」
詩織「充さんの事、私達、あの日出会う
以前に会ってた、知り合いだった」
充「…」