お金の関係
第17章 思い出して
詩織「大丈夫?」
姫野充「…うん…ありがとう…」
詩織「その絵、素敵だよね、君が考えて
書いたの?」
姫野充「…うん…僕、将来デザイナーに
なりたくて…」
詩織「そうなんだ、頑張ってね」
姫野充「…ありがとう」
詩織「またね」
姫野充「…」
その日を境に
詩織は彼と急激に仲良くなった
でもその直後に彼の両親は亡くなってし
まい
彼は転校
この街から引っ越してしまい
それ以来、彼と再会するような事はなく
覚えていなくても
仕方なかった
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詩織「…お父さん」
父「?」
詩織「私…私ちょっと出て来る…」
父「今から?でも今日はもう遅いから明
日…」
詩織「明日じゃダメなの、今日じゃなき
ゃ…ダメなの…」
父「詩織」
詩織「お願い…お願い、お父さん…」
父「…あんまり遅くなるなよ」
詩織「ありがとう…」
写真を手に
詩織は急いで充の家へ向かった
会わせてもらえるか、会ってもらえるか
例え会えても
何をどう話せばいいのか混乱していたが
詩織は足を止める事なく
走り続けた