お金の関係
第3章 初めての
メイド「では失礼します」
詩織「…ありがとう」
日中や夕方は
充の相手をする事が多かったが
夜だけは
一つのベッドで一緒に寝るにも関わらず
充は何もしてこなかった
詩織「…」
この屋敷に連れて来られて
かれこれもう数週間が経過していた
外部との連絡は取れず外出も一切許され
ず
完全に
監禁状態の詩織
しかし
一緒に暮らしている内に
不思議と最初の頃に感じていた
充に対する恐怖心は少しずつなくなって
いた
詩織「…!?」
充「まだ寝てなかったのか」
詩織「充様」
充「その呼び方はやめろ、充でいい」
詩織「でも…」
充「命令だ、やめろ」
詩織「…はいっ」
充「…」
夜遅く
部屋に戻って来た充
しかし充はいつも机に向かって何か作業
をしていて
なかなか
休もうとはしなかった
充「…」
詩織「寝ないんですか?」
充「まだ少し仕事があるからな」
詩織「仕事?」
充「あぁ…まだ言ってなかったな、俺は
ファッションデザイナーなんだ」
詩織「デザイナー!?」