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お金の関係

第7章 優しさ



充「結局…自分が大事なんだよ」

詩織「…」

充「親だって一人の人間、ピンチになれ
ば自分かわいさに子供を差し出すんだよ
みんな…」

詩織「でも私には…お父さんしかいない
から…」

充「母親は?」

詩織「私が小さい頃に病気で亡くなって
だから…」

充「…ごめん…辛い事思い出させて」

詩織「平気です、お母さんの事は写真で
見ただけで覚えてないから…寂しいとか
辛いとか感じた事はありません」

充「…同じだな」

詩織「えっ?」

充「俺も同じだ、俺の両親も小さい頃に
亡くなって…でも俺は全然覚えてなくて
寂しいとか辛いとか…思った事なかった
な…」

詩織「充さん…」



初めて知った
充の複雑な家庭環境
こんな大きな屋敷に住んでいて充の親は
きっと会社の社長かなにかだろうと
勝手に思っていたが
この屋敷も家具も白石やメイドの給料
その他の全てを充が一人で
稼いでいた

もちろん
その収入源は充のデザイン画
充にはデザイナーの才能があったが
それ以上に一人で生きていく覚悟があっ

だから
高校生でありながら
ここまで上り詰められたのだ


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