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齟齬

第3章 3


武志は

カウンターをくぐって

いきなり調理場を占領した。



「いいんですか。

 味は保障できませんが。」



綺麗な前歯がのぞき

にこっと笑うと

ゆっくりと口を開いた。


「いいんじゃない。面白いわ。」


僕は押しのけられるように

真ん中に武志が立つ。

氷を放り込み

ドライジンに手を伸ばすと

目分量で適当に注ぐ。

つぎはライム。

冷蔵庫の中から

ジュースを手にすると

ジンより

少なめに流し込み

シェイカーのキャップを閉めた。


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