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齟齬

第3章 3

武志はスツールに戻ると

彼女の耳元で囁く。

カウンター越しに武志をみた。


飾られた宝飾品。

鍛えられたボディー。

整えられた眉。

アルバイトの僕。

プロ意識を感じさせる武志。

武志は自分を最大限引き出し

輝いていた。

中途半端な僕。

ときおり

渇いた

笑い声をあげる。

口元に手をあてる

仕草が魅力的に

僕に視線を流す。


その視線から逃げるように

グラスを片手に

磨きながら

奥へ引っ込んた。

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