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齟齬

第1章 1


玄関に入ると

間接照明が

足元をてらす。


暗がりのなか

彼女の背中を見つめ

あとにつづく。


廊下を抜け

応接間を通り

部屋のドアノブに手をかけると


彩香は振り向いた。


「お願い・・・」


俯き加減

彩香の声は震えていた。


彩香の手をとると

強く握りしめた。

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