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齟齬

第9章 9



バイトを終え

疲れた足を引きずりながら

階段をのぼると

紗智子が目の前で

仁王立ちで現れた。

電話を切って

10分もたってない。


はじめてみた紗智子の険しい顔。

それから

また値踏みするあの視線が

僕を槍のように貫く。



なにも言わずに

僕の手首を掴むと


アルファロメオの助手席に

放り込まれた。



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