テキストサイズ

運命に導かれて

第5章 愛の行方

「許して下さい。あなたのことを、洗いざらい調べていることを……これは婚礼の儀式なのです」


オルフェウスは、気遣わしげに言った。

ディアナは輝くような笑顔をかえした。

「いいえ、全く気にしていません。わたしには探られて困るようなことは何もないと神に誓って言えますから」


「早く、あなたと二人きりになりたい………」

オルフェウスが、ディアナの髪をなでながらつぶやいた。


「オルフェウスさま………」

「こんな会話も全て聞かれているなんて。あなただけにとっておきの愛の言葉も、秘密ではなくなってしまう」


お付きの者は、いたたまれない気持ちになった。

聞かないようにしたくても、この部屋にとどまるのが使命だったので、どうしようもなかった。


ディアナはその様子を見逃さなかった。

ディアナは優しく微笑んだ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ