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赤い花~情欲の檻の中で~

第2章 MemoriesI

「ああ、止めた、止めた。こんな持って回った言い方、私のキャラじゃないもんね。木梨君と一ノ瀬さんが付き合ってるっていう噂がここのところ、社内で流れてるらしいわ。気を付けた方が良いと言ったのは、その噂のことなの」
「私と営業の木梨さんが」
 まさに、その噂は真実に他ならないのだが、当人たちは秘密にしていると思い込んでいただけに、第三者から既にそのことが噂になっていると聞かされたのは衝撃だった。
 沙織は溜息をついた。

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