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赤い花~情欲の檻の中で~

第4章 MemoriesⅢ

 祥吾と美華子が定期的に利用していたホテルは何と探偵事務所に高額な報酬を支払って洗い出したという念の入れ様であった。木梨祥吾という男は、それだけの価値もない男だというのに。
 美華子との密会の現場に現れたのは、ただ嫉妬と見せしめのためにすぎなかったと訴えたけれど、厳格な営業部長が結婚前から二股かけるような男を婿として認めるはずもない。

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