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赤い花~情欲の檻の中で~

第5章 終章~再びの砂漠にて~

 その時、突如として大きな怒声が私の耳を打った。
「おーい、お前さん。死にたいのか?」
 つと振り向くと、死と魔が支配するといわれる砂漠が始まる場所―辛うじてまばらな青草が見える位置に男が佇んでいる。
 ここは日本からはるかに離れた異国の小さな村。ここからが砂漠の始まりであることを示す看板が乾いた熱風に吹きさらされている。

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