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赤い花~情欲の檻の中で~

第2章 MemoriesI

 逢えば逢うどほどに、どんどん好きになっていく。もちろん、彼が自分をどう思っているのか。それは判らない。社内恋愛が禁止されている会社で三年もの間付き合ってきたのだから、嫌いではないだろう。
 しかし、付き合っている中に祥吾は次第に別の顔を見せるようになった。彼が誰に対しても見せる愛想の良い笑顔や優しさがほんの見せかけにすぎないものだと美華子は知った。本当の彼は俺様で、女は男に従うのが当然と考えているような節があった。

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