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赤い花~情欲の檻の中で~

第3章 MemoriesⅡ

 福山雅治に似た端正な風貌の祥吾は何をしていても絵になる男だ。今も長い足を優雅に組み、煙草をくゆらせている姿は月9のドラマのワンシーンを見ているかのよう。
 大好きな彼と狂おしいようなひとときをホテルで過ごしながら、何故、自分は昔の彼のことばかり考えているのだろうか。
 美華子は想いを振り切るかのように首を振り、祥吾から自らの身体を隠すように背を向けて自分も服を着始める。だが、わざわざ背を向けることはないのだ。セックスが終われば、彼はすべての関心を美華子から失い、こちらを見ることなどないのだから。

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