
海蛍
第18章 静寂の中で
「あ・・目、覚めた?」
ハルが私の顔を覗き込むようにして優しく頭を撫でながら微笑む。
『あれ?私・・』
そうか。
ハルに抱かれた後
そのまま寝てしまったんだ・・・。
その間ハルはずっと抱き締めてくれてたんだ
なんて思うと今更ながら嬉しさがこみ上げてくる。
『寝ちゃってごめんね?』
「ん?いいよ。蛍のヨダレ顔見れたし」
『えっ?!!』
そう言ってニカッとハルは笑うけど
私全然笑えないんですけど?!!
思わず口元を触って確認。
が
「嘘だよ」
の一言で無駄な行為だったとすぐ分かる。
・・コイツ。
思わず睨みつける私にハルは顔を耳元に近付け
「―――――・・」
『・・っ!』
ハルの言葉で一気に顔が茹でダコ状態。
だって
甘く優しい声を耳元で響かせながら
“寝顔が余りに可愛い過ぎてまた食べてしまいたくなった”
なんて言うから・・。
