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海蛍

第8章 戻らない。戻れない。

普段当たらない勘もこんな時だけ嬉しくない程当たる物で。

足音の主は予想裏切らずハルだった。


瞬間、私の脳内に

「うわぁ・・」「やだなぁ」「ゲッ!」

の最悪の時にしか出ない言葉が飛び交い、思わず階段降りる足が止まる。


ハルも何を考えてるのか分からないけど階段を上がる足を止める。


私は少しでもこの場に居たくなく駆け足でハルの横を無言で駆け下りようとした時

ガシッと腕を掴まれ駆け足強制停止。



「どこ行くの?」

『・・・ちょっと。』

「こんな時間に?兄貴は?」



・・こんな時間にって。




私だって好きで出掛けるわけじゃないし!
誰のせいだと!!



私はハルを睨み付け
腕を振り払い
急いで階段を駆け降りた。

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