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海蛍

第8章 戻らない。戻れない。

『・・何で。』

「は?」

『何でそんな事言われなきゃいけないの?
何でそんな事しか言えないの?!
だったら最初からほっとけばいいでしょ!!』

言いながら悔しくて涙が出る。


「ごたごたうるせー!!」


私の反撃も“ごたごた”の一言で片付けられる。

それが更に悔しさを倍増。


そんな私の感情を一切無視して、数時間前にハルに掴まれた場所を再度掴まれ引っ張るようにして歩き出す。

『ちょ・・!離してよ!』

「黙れ。」

ハルの腕を振り払おうとするも、力を込めて握られ不可能。

そしてまたも一言で片付けら沈黙。


泣きながらハルが掴む手を見つめる。

・・・痛いし。


もう。


手も・・・心も凄く痛いし。

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