
許嫁から始まる恋
第3章 EPISODE #3
「―嘘…。せん、せい?」
私は鮫島 遙に指を差す。
いや。待て。夢だ。
これは夢だ。
そうに決まっている。
だって、教師と許嫁だなんてあり得ない。
うん。あり得ないから。
「お父さん?あり得ないから。
私が教師と許嫁だなんて、しかも
同じ学校でクラスの担任が許嫁だなんて
あり得ない。てか、認めたくないから」
私は動揺していた。
ソファから立ち上がり、鮫島 遙の横を
通り過ぎてリビングを出ていき、部屋
へと向かう。
意味が分かんない。
いきなり許嫁がいるって言われて、
しかも相手がクラスの担任だなんて。
「いくら悩んでても仕方がない。
寝よう。」
私は、目の前にある現状から逃げる
ように、ベッドに倒れ込みそのまま
目を瞑り、眠りについた。
