
許嫁から始まる恋
第3章 EPISODE #3
翌朝、携帯のメール着信音と共に、
目を覚ます。
お風呂に入ってない。体が気持ち悪い。
お風呂に入ろう。
入って体をサッパリさせよう。
今日は休日だからゆっくりできる。
私はクローゼットの隣にある白を基調とした
箪笥を開けて、下着とキャミソール、
ジャージを取り出す。
鼻歌交じりで階段を降り、浴室の扉を
開ける。
「…。」
「…えっと、おはよう、ございます」
「―ッキャアアアアア!!」
私は叫び、浴室の扉を勢いよく閉める。
「小春ッ!何があった?」
私の叫び声に気付いて、冬馬はリビング
から現れ、私に駆け寄る。
「あ、う、え、あ」
私は困惑しながら冬馬の顔を見て、
浴室を指差す。
すると、浴室の扉が開いて鮫島 遙が
出てきた。
