
許嫁から始まる恋
第3章 EPISODE #3
「ごちそうさま」
私は朝食を食べ終え、手を合わせる。
鮫島 遙は私の目の前に置いてあった
食器を片付け始める。
「私も手伝う」
椅子から立ち上がり、食器を持っている
鮫島 遙に近付く。
「いいよ。ゆっくりしてって
言ったじゃん」
鮫島 遙はそう言うと、キッチンに向かい
食器を洗い始める。
私はお言葉に甘えた。
ソファに座り、テレビをつける。
よくよく考えてみたら、
私は小さい時の思い出が無い。
てか思い出せれない。
鮫島 遙ならなにか分かるかも
しれないが、聞きづらい。
それに、肝心の冬馬は部屋に居るのかも
分かんない。
「はぁ…。」
悩みがありすぎてため息が出てしまった。
ちらっと横目でキッチンを見ると、
お皿を洗う鮫島 遙の姿。
