
許嫁から始まる恋
第3章 EPISODE #3
学校では本物の笑顔を見せない、
愛想笑いの顔とついさっき見せた
大人の微笑み。
全然違う。
なんか余裕って感じ。
本当の鮫島 遙という人物を
見てみたい。
私は興味が沸いた。
いや。気になってるんだろう。
鮫島 遙に質問してみよう。
丁度、片付けが終わったのか
タオルで手を拭いて、ハニーブラウンの前髪を
片手で掻き上げている。
「先生、終わったの?」
「え?えぇ、まぁ…。」
敬語で話す鮫島 遙は黒いジャージの
ポケットから赤いピンを取り出し、
前髪を留める。
「暇なら、話そうよ」
