
許嫁から始まる恋
第1章 EPISODE #1
私の応答を聞いてから階段降りていく
足音。
どうやらとっくの昔に支度を
終えているようだ。
私も素早く制服に着替えて、
寝癖がある髪を綺麗に整えていく。
「毎度毎度、寝癖があるのはムカツクなー」
愚痴を溢し、寝癖がなくなると、
鞄を手に持ち部屋を出る。
トントンと足音を発てながら階段を降り、
リビングに向かう。
リビングには朝食を座って食べている
冬馬の姿。
我ながら自分の兄はカッコイイと思う。
学校でもモテモテだし、生徒会長だし。
そんな姿を見ながら、冬馬の隣に
座って朝食を食べる。
「小春。ん。」
「ありがと」
冬馬から差し出されるバナナオレ。
昔から朝はこのバナナオレを飲むのが
日課になってしまった。
