
許嫁から始まる恋
第8章 EPISODE #8
「小春、なんか言った?」
「気のせい。気のせい。」
「そっ。
あ。未来先生、おはよー」
兎は校門に立っている、未来先生の
元に走って向かう。
私はてくてくとゆっくり歩く。
校門では、未来先生と兎が仲良く
話している。
その隣で立っている遥。
「東雲さん、おはよ。」
「未来先生、おはよ。」
私は未来先生に挨拶をして、
直ぐ様、その場を立ち去ろうとし
早足で歩き出す。
なるべく、遥と目を合わせないように。
でも、これもまた運が悪いのか。
私の鞄についている、桜のストラップ。
…が、落ちた。
「東雲さん、落ちましたよ」
