
許嫁から始まる恋
第8章 EPISODE #8
憂を威嚇する声。
憂は私から顔を反らし
声の持ち主のほうを見る。
「なんだ、遥じゃん。」
遥は獣のように憂を睨み付け
威嚇している。
「離れろ。小春に触るな」
「そんなにこの子が大事なんだ。
益々気に入った。」
憂は私を見て私から離れて
遥の元へ歩み遥の肩に手を置いて
耳元で呟くと憂は私をもう一度見る。
「また後でね、小春ちゃん」
憂は私に手を振り、その場を
立ち去る。
その場に崩れ落ちて座り込む私。
それに気づいて駆け寄って来てくれた
遥。
「小春、平気?
なにもされなかった?」
