
許嫁から始まる恋
第8章 EPISODE #8
私は助手席の扉を開けて
助手席に座る。
煙草の煙たい匂い。
遥の爽やかな柑橘系の香水。
その二つの匂いで酔いしれてしまう。
「さてと…家にこのまま直行で
帰るけど、どうする?」
「え?」
私は遥を見る。
遥はスーツのポケットから煙草を取り出し
ながら私を微笑みながら見てる。
「どこか、行っていいの?」
「小春が行きたい所が
あるなら、だよ?」
「っ行きたい!!
海いいっ!!」
私は身を乗り出しながら遥を見る。
遥はクスクスと笑いながら"了解"と
承諾して車を走り出させる。
