恋の居場所
第3章 自分だけの場所
ここの持ち主という男に南京錠の鍵が
落ちていて出入りするようになったと話した。
「なるほどね」と言いながら手の平をあたしの前に突き出してきた。
「え? なに?」
「いや、鍵を出して貰うんだよ」
ーーーーーーー…………
鍵を返せという緊急事態を頼み込み、なんとか回避したけれど持ち主がいたとは...
「まぁヨダレ垂らしてベンチを汚すのだけはしてもらいたくないね」
「は? 垂らしてない!!」
その前に寝顔見られたんだよね...
女としてあたしは失格物だぁ~
「まずお前女子高生だろ?
年上に向かっての礼儀がなってないですね」
「お兄さん21歳とかその辺でしょ~」
その前にしゃべり方が悪かったり良かったりそっちの方が変よ
「若く見えるのは光栄だけど27歳だ」
「...27? ..プッハハッ..おっさんじゃん!!」
まあ...そこらに居る髪を下手盛りしてる変なギャル男とは全く違く、
ナチュナルにセットしたサラッとした黒髪
整った顔立ち..冷たそうな大きな目
顔にぴったりでぴったりじゃないような
ピシッとした服装。
どう見ても若々しくて世間で言う本物イケメン...