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恋の居場所

第22章 冬の夜




広場の噴水の前に座ってケーキを食べる




イルミネーションを見ながらパクッパクッとケーキを頬張る






「妃巳架ケーキ食いすぎだっつの」




「いいじゃーん♪」








だけどやっぱりもっと服着込んでこれば良かった..



寒さが尋常じゃない







「寒いんか? 愛しい俺様が抱きしめたる」






ギュッと抱きしめられ一気に温かくなってきた






「本当にバー....」





「どうした?」










今あたしの目には"神沢 王史"が写っている






もう会う事も見る事もないって思ってたのに一週間で会っちゃったじゃん








冬磨の後ろ..ううん、もっと奥にいる






あいつもあたしに気づいたようだ










抱き合ってた体を離すと冬磨と重なって見えなくなった








「何?俺が温かすぎて泣いてんの? よっしよっしッ」





「バーカ...スキだよ冬磨..」








泣く事なんてないじゃない


あの人とは赤の他人







「あ、雪降ってきた」







夜空を見あげると粉雪がパラパラ舞い落ちてる










雪ってこんなに切なく寂しいものなんだ




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