恋の居場所
第29章 狂った女
男が倒れこむと春樹はあたしをギロッと見てまた何処かへ腕を引っ張っていった
「なんで喧嘩できるの...?」
「大切な人守る時は誰でも強くなるんだよ」
あたしは何も答えれなかった
やっと止まった所は小さな公園
ベンチに座ると口を開いた
「俺はまだ妃巳架の事が好きだ
何が今の妃巳架にしたのか教えてくれるか?」
自分でも分かってる..
昔の自分じゃないって。
「..もうほっといて」
それでもしっかり掴んでいた腕は離してくれなかった
「...どうしても寂しかったの..
1人になると寂しくて堪らなかったの...もういいでしょ...?」
掴んでいた腕をグッと引っ張りあたしを腕の中に閉じ込めて何度も"ごめん"って謝ってる
どうして春樹が謝るの..?
「俺が妃巳架とずっと一緒に居る
だから本当の妃巳架に戻ってくれ
愛してる....」
「...あたしと一緒に居てくれるの...?」
正直なんて言えば分からないけど涙がとまらない
自分が馬鹿みたいに思えてしまう
「もう絶対に離れない」
「はる......」
肩に誰かの手が乗っかりビクッと体が震えた
振り返るとさっきの友人とその連れが5人いた