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それでも、私は生きてきた

第22章 現場検証

次の日、
朝食を運んで来てくれた看護師さんに
私は何故、保護室にいるの?
と、聞いた。

顔見知りの看護師さんで、
30代後半のいつも優しい男性看護師。

火事は覚えてるかな?
その火災の原因を、
ユリさんが疑われてるんだ。
近々、刑事さんが来る予定だよ。


私が火を付けたってことになってるの?
私、付けた覚えないよ!
気づいたらもう燃えてたの。
私放火なんてやってないよ!


でもね、
僕が聞いた話によるとだけど…、
火災発生時は
他に誰もいなかったんだって。
だから、
自然とユリさんが疑われちゃうんだ。
やってない、とか覚えてない、って
言うと長引くよ。
やりました。って適当にでも
話を合わせてさ
そうすれば、執行猶予でスグ終わるし、
うちの病院もかばうし、
その方がいいよ。絶対に。


そうなの…?
うん…わかった。
ありがとう。

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