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それでも、私は生きてきた

第24章 ホームレス

目的地に辿り着いた頃には
空は真っ暗だった。
まだ肌寒い4月後半。
真冬じゃなかっただけ、よかった。

お腹も空いた。
お金は全然無い。

ポケットに入れた小銭を数えても
十円玉数枚と百円玉1枚…


公衆電話に駆け込んだ。

実家の電話を鳴らす…

はい、もしもし?

お母さん?ユリです。
家に帰りたい。

無理です。
の一言で電話が切れた。

その場で
受話器を握りしめたまま

泣いた。


寒空の下、
暖かい服もない。
ご飯もない。

これから
どうしよう…。

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