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それでも、私は生きてきた

第24章 ホームレス

近場のコンビニに入って、
小声で定員さんに声をかける。

申し訳ないのですが…
食糧を探してます。
ゴミ箱を漁ってはダメですか…?

若い女性定員は驚いた顔をして
年配の店長らしい男性を呼んだ。

不思議そうに私を見ながら、
裏にご案内しますので、そちらでお願いします。
と、言われた。

食べ物を求めてゴミ箱をあさる…
こんな体験をするとは思わなかった。

店の倉庫のような所に案内され、
灯りを付けてくださり
新しいゴミの袋を出してくれた。

どうぞ。

本当にすいません。
キチンと片付けます。
ありがとうございます。

と、丁寧にお礼をしつつも
心の中は早く早く早くあさりたかった。


ゴミ袋をあさり始めると
オニギリのビニールにくっ付いた
米粒一粒…
涙が出るほど嬉しかった。

食べかけのハンバーガー…
腐ったような味がしたけど、
お腹の中に食物が
入ることが幸せに思えた。

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