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それでも、私は生きてきた

第48章 母と過ごした一夜

明日の朝には、
母は仕事へ。
私は祖母の元へ。

祖母の所に一泊した次の朝には、
また
私は…。



寝不足になっちゃったね。

と、電気を消して布団に潜り込む母。

消灯するものの、
部屋は薄暗く
母の顔もハッキリ見える。

大きなベッドに
母と2人。

3人用のベッドのようで、
枕は3つ並んでいた。


真ん中の枕を空席に、
お互い端に横たわる。



仰向けになり、
目をつむると

母がゴモゴモと話し出す。


なに?

目を閉じたまま、
不機嫌な声で私は問いた。



足…痛いの?子供の時は、もしかしたら我慢してたのかなぁって、お母さんずっと考えてたんだけど…。


子供の時は何も無い。


急に痛くなったの?


うん。


今も痛いの?


痛い。


治療とか手術とか必要なの?


リハビリしなきゃいけないって。手術は早すぎる。




なんて病気?



忘れた。



骨の病気?



形成不全。


骨が悪いの?



形が悪い。



どんな風に?



欠けてる感じ。



歩いてても痛いの?



痛い。



薬は?



ひどい時だけ。










淡々と
親子らしくない会話が続いた。


私の中で、
発症して電話した時は、
どんな状態かも聞かなかったくせに。今更…。



そんな
反抗的な想いがよぎっていた。

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