それでも、私は生きてきた
第48章 母と過ごした一夜
母も諦めたように
言葉を発しなくなった。
目を閉じまま
左足をかばうように
ゆっくり向きを変えて、
母の居る
右側を向いた。
いつも仰向けでは寝づらく、
左右どちらかに横になって眠る私。
なんとなく…
なんとなく気配を感じて、
フッと目を開けた。
特に、掛け布団が動いたわけでもなく、
ギシギシとベッドが唸ったわけでもない。
なんとなく、
目を開けた。
母が
恐ろしいモノを見てしまったかのように
目をかっぴらいて
驚きの表情をしていた。
母の右手は
私のおでこギリギリの所に
伸びていた。
眠りについたと思い、
私の頭を撫でようとしていた。
母心。
親心。
眉間にシワを寄せて、
やめて。
そう冷たく言い放つしか出来なかった。
また、
悲しそうな顔を見せる母。
ゴメン…
と、声にならない声で
母はつぶやく。
母の手に触れたい。
幼い頃のように、
母に抱き締められて
めいいっぱい
温もりを感じたかった。
でも。
また
母と別れる刻、
私の心が割れてしまいそうで…
言葉を発しなくなった。
目を閉じまま
左足をかばうように
ゆっくり向きを変えて、
母の居る
右側を向いた。
いつも仰向けでは寝づらく、
左右どちらかに横になって眠る私。
なんとなく…
なんとなく気配を感じて、
フッと目を開けた。
特に、掛け布団が動いたわけでもなく、
ギシギシとベッドが唸ったわけでもない。
なんとなく、
目を開けた。
母が
恐ろしいモノを見てしまったかのように
目をかっぴらいて
驚きの表情をしていた。
母の右手は
私のおでこギリギリの所に
伸びていた。
眠りについたと思い、
私の頭を撫でようとしていた。
母心。
親心。
眉間にシワを寄せて、
やめて。
そう冷たく言い放つしか出来なかった。
また、
悲しそうな顔を見せる母。
ゴメン…
と、声にならない声で
母はつぶやく。
母の手に触れたい。
幼い頃のように、
母に抱き締められて
めいいっぱい
温もりを感じたかった。
でも。
また
母と別れる刻、
私の心が割れてしまいそうで…