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それでも、私は生きてきた

第7章 助けてください。

どんな薬物でも、
高揚感はひと時、
のちに効かなくなり量が増え、
堕落していく。と言う。

この感覚は、
経験者にしか
わからないでしょう。

使いたい
使いたくない

辞めたい
辞められない

悪循環の渦に飲み込まれ
脱出不可能。

ガスパンを覚える前より
辛く苦しかった。

ガスパンを
やってもやっても
最初の高揚感が訪れなかった。

高揚感に浸っていたのは、
たったの10日間だった。

徐々に、
幻覚・幻聴が
恐ろしい映像に変化した。

気持ち良さもない。
高揚感もない。
愉快どころか不愉快。

なのに
なのに
なのに…

ガスパンが辞められない。

蟻地獄にスッポリはまってしまった。

恐怖の幻覚幻聴に
襲われた直後は、
もう二度と使いたくない!!!!
と、思う。
本当に、真剣に。

だが、

数分後。
ガスパンがしたい。
ガスパンをしたくて、したくて、
体がブルブル震えだす。
口からヨダレが出てくる。

また
恐ろしい幻覚幻聴に襲われる。
わかっているのに、
使いたい。


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