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遠い幼なじみ

第8章 適わぬ人

涙が少し止まってきて、しゃっくりが出てきたその時だった。












?「みっちゃん!?」






「っ!」








急に上がった声に、思わず心臓がビクッと跳ね上がった。








でもその声は、昔よく聞いたあの人の声。














「京ちゃ………京ちゃんっ!!」







顔を上げると十字路から、みんなのお兄さん、京ちゃんが歩いてきていた。


買い物の後なのか、近くのスーパーのビニール袋を持っている。








私は京ちゃんにすがるように泣きついた。












京「どうした?」





京ちゃんは私を見つけるなり近づいてきて、目線を合わせる。








ああ、喋ったらまた涙止まんなくなりそう。



口を真一文字に縛ると、京ちゃんは優しく微笑んだ。







京「とりあえず立てるか?」




私は首を横にふる。




なんかちょっと子供みたいで恥ずかしいけど、今は仕方がない。

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