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妹えっち!

第10章 キスと…







 私は応急箱を持って
 お兄ちゃんの部屋に入った



「…お前いい加減に…」
「怒られたっていいもん!」



 着替えようとしていたお兄ちゃんの服を引っ剥がす

 女物の香水が服についてて
 ズキッと胸が痛んだ

 力ずくでベッドに座らせ
 二の腕を出させる

 手当てする、お兄ちゃんは意外なほど大人しくしていた



「っ…」
「染みる?」



 まるでガラスで引き裂かれたような傷痕だった

 浅いからまだいいが
 深かったらと思うとゾッとする



「なんでこんな…」
「…いいだろ、別に」
「よくないよ!
毎日毎日夜遊びばっか!」
「バイトの帰りに
ダチと遊んでるだけだろ」
「じゃあケンカは!?」



 夜遊び、ケンカ…
 夜遊び、ケンカ…

 私は悲しくて涙ぐむ



「…向こうが因縁つけてきた」
「そんな子供みたいな言い訳っ!」



 腕の傷を終え、頬の傷に移る

 お兄ちゃんの頬を触る
 よかった…傷は深くない…



 お兄ちゃんが横目で見てて
 思わずドキッとする

 あ、また…すごい見てる
 なんでそんなに見るんだろう

 変に思われないよう平静を装う



「まだ?」
「え、もうちょっと…」
「早くしろよ
お前だって眠いだろ」



 眠気よりお兄ちゃんに触れていたい気持ちのが強かった

 でも手当てしないと
 止まっていると変に思われる



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