抱かれる日々
第14章 鬼畜
「君が優美さんかね?」
「はい」
経済的に必要な人材
失礼のないようにせねばならない
誰にも見つからないために屋敷の隣の別館だ
「その首の包帯を取りなさい」
スルスルッと包帯をほどいていく
傷が露わになると何度も指でなぞってくる
「この傷自らやったらしいな
だいぶ勇気あるじゃないか 」
旦那様同様不気味な笑みを浮かべている
「では、この塞いである糸を外してあげよう」
「血潮しますよ」
「それは困るな~死んでしまう
それでは私が新しく傷を作ってあげよう」
果物ナイフを鞘から抜くと顔に何度も浅く切りつけてくる
「濁った血が流れている」
「..ありがとう..ございます..」
顔がズキズキする
このまま剥がれるんじゃないか..
「次は耳たぶでも切り裂いてやろう」
こんな時でも涙が出ない
出した所で何も変わらない