抱かれる日々
第15章 優輝の思い出
深夜の12時小さな音の鐘が鳴る
今日も綺麗な月が出ている
大きな庭を歩きながら夜空を見上げる
「お父様..お母様..」
つい思い出してしまった
あたしを捨てて死んでいった両親
この人生に差し向けた人物なんてもう両親でも何でもないというのに
「優美ちゃ~ん」
暗闇から誰かが近づいてきている
月の明かりが足元から順に顔を照らし始めた
「優輝様」
「本当に優美ちゃんって無理する子だよね」
言い返す前に優輝様は口を開いた
「昔に優美ちゃんとソックリでソックリじゃない子いたんだ
その思い出話でも聞かせてあげる」
あたしの腕を引っ張り歩き始め
薔薇園の中心にあるベンチに座った
「俺と鉱輝がまだ9歳辺りの時の思い出」