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『ママ』

第6章 親戚の目

私と真は下を向きながら黙ってご飯を食べていた。

真は離乳食を初めた時から箸しか使わなかった。

スプーンとフォークを差し出すと投げて嫌がるので箸を試しに持たしたら箸だとちゃんと食べてくれた。

でもルールがあり、黒い箸でしか食べてくれず、私は箸を持ち歩いていた。

なんとか

『使いなれてる箸がいいみたいなの…。』

とごまかし、親戚の集まりでも黒い箸で食べさせていた。

真はくたくたに煮たキャベツなら食べれるが、サラダの千切りキャベツは食べてくれず、親戚の集まりでも千切りキャベツに揚げ物が乗っているのが出てきたので真に取り分けると揚げ物に付いている千切りキャベツを一つ一つ取っていた。


私はその一つ一つの真のルールに

自閉症がばれるんじゃないか?とハラハラしていた。

私は、まだこの時、真の自閉症と向き合えてなかった。

真が自閉症だと、みとめたくなかったんだと思う…。

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