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『ママ』

第2章 魔法の言葉。

ジュースを見ながら…

『ん!』

『ジュース飲みたいの?』

と真の目を見て話そうとすると目をそらされ手だけ出され、私は渡してしまう…。

ジュースに限らずいつもそう…。

私は真を面と向かってみることは、出来なかった。

一歳半検診…順調…。


でも保健所で行われる育児相談、心理学の先生とのお話、筋力の発達を調べたいなど…。

保健師に言われるがまま…

受けていた。

発達が少し遅れてるだけなんじゃないの?

なのに…

こんなに検査みたいなのするの?

と頭にあり、

『うちの子何か変わってるんですか?』

と聞いても教えてもらえずただ

『発達がゆっくりだから見せてもらいたいだけですよ。

お母さん、安心してください』

と言われただけだった。

二歳になっても話をしてくれず…。

二歳検診も…順調。

と母子手帳に書かれた。

でも、やっぱり保健所に呼ばれるのは変わらなかった。

二歳を過ぎた頃に…。

真はショッピングセンターに行くのにはまっていた。

ショッピングセンターの袋を指で指し

『ん!』

私が

『行きたいの?』

と言うと…

目をそらしながらだけど…

『ん』

と返事をしてくれた。

たったそれだけの事が嬉しかった。

いつもは態度で示すだけで言葉で返してくれたのは初めてだった。

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