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小心者の恋事情。

第1章 はじめまして。

『つち…ほう…?
………どかた?…かず…』


「土方(ヒジカタ)和央(ワオ)。」


―――――――



出勤時間ぎりぎりになって駆け込んだ事務所。

息つくまもなく、カードリーダーにICカードを通す。

『…5時29分…

セーフ…』

つーかね、早い。
朝早い。
こんな時間から運動なんかしたら、余計身体に悪いんじゃね?


他のスタッフは、すでに各持ち場に移動して、
おのおの仕事を初めている。
オープンまで30分。
急がねば…。


ふぁ―っと大きなあくびをして、充電器からシーバーを一機とって、自分用のイヤホンと接続。

―ピッ―

『おはようございます、平井です。今日も一日よろしくお願いしまーす』

―ザザッ―

「おはようございます!お願いしますっ」

―ザザッ―

「おせーぞー!さっさとジムこい!」


つけたばっかのイヤホンから、早番メンバーからの返事がとどく。
朝からご苦労なこった。


腰ばきにしたユニフォームからパンツが見えてないか確認して、
最初の持ち場であるジムへ移動しようと思ったとき
おっぴろげになってるノートパソコンの画面が目に入ってきた。


『…新入社員…配属一覧?
………うちの店舗もくるんだ?』

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