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小心者の恋事情。

第1章 はじめまして。

あたしがバイトしてるスポーツクラブは業界でもかなりの大手で、全国にたくさん店舗がある。

18の時、体育の専門学校に通いながらここでバイトし始めたんだけど。
卒業してからも就活しないでズルズルと居座り続けて5年目を迎えたこの春、

恐らく大卒で、同い年の
゛社員さん ゛が入ってくるらしい…。


―土方和央―



残念ながら読み方がわからなくてブツクサ言ってる私の背後から、いきなり聞こえた低音ボイスに、ビクっと肩を竦めて慌てて振り返ると、


「今日からここで勤務になりました。よろしくお願いします。」

すぅっと差し出された左手に
思わず左手を重ねた私。


『あ、っと、左ききなんです!すみません!』

「じゃあ、、」

って、今度は右手を出して交わされた握手。


今時握手ってどーよ(笑)

なんて、つっこみたい気持ちを抑えて見上げた彼の顔は、

恐ろしいほど整った
完全完璧な男前だった。

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