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寝取られ漂流記

第9章 17歳秋

ホームに降りたは良いものの、さっきの男の人の姿はどこにもない。


時間が時間だからって事もあってホームの中はごった返している。この中で殆ど知りもしない男を探し出すなんて無理。


諦めて携帯を出そうとしたら、ポケットに何か入ってるのに気付いた。


綺麗に折りたたまれたハンカチだった。そしてその中に明らかに布じゃない何かが入っている。


あたしはとりあえず人ごみを避けて、ホームの端の方に移動してからそのハンカチの中の紙を出した。


紙には短く
「改札を出て、すぐのロータリーの赤い車」
とだけ書いてあった。


随分用意周到な痴漢だ。
相当手慣れているんだろう。


あたしは紙をポケットにしまうと、少し減った人の中を進んで改札に向かった。

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