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寝取られ漂流記

第9章 17歳秋

改札を出るとすぐ分かる位置に、赤い車は止まっていた。


エンジンまでかけていて、あたしは何気なしにその車に乗り込む。


「来ると思ったよ」


さっきの男だ。姿を見なくても声だけで分かった。


「随分しっかりと準備してるんですね」
「今時痴漢なんてやろうと思ったらこれくらいしないとね」


男は、あたしが乗ったのを確認すると車を発進させる。
こうして見ると若い。多分、二十代後半か三十代前半。
とても痴漢しないといけないような人には見えない。
顔だって良いし、


「一つ、聞いて良いですか?」
「なんだい?」
「なんで痴漢を?」


気になって思わず聞いてしまった。


「君と一緒だよ」
「へ?」
「普通じゃ物足りないんだ。普通の女の子に俺の望む事をしたらあっという間に逃げて行くよ」


この人も晃佑やあたしと一緒だ。


だから惹かれたのかな。

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