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寝取られ漂流記

第14章 18歳冬

「そろそろ行こっか」
「そだね。この教室は……別にこのままでいいか」


彰人はあたしから離れると、
素早く服を着た。


二人してバレないように外に出る。


普段は一緒に歩く事のない道を、
彰人と二人で歩いた。


歩きだしてすぐ、
彰人はあたしの手に、自分の手を重ねた。


今までこんな事した事ない。
あたしからならもしかしたらあったかも知れないけど、
彰人からしてきたなんて記憶はない。


「彰人?」
「俺の最後の我儘、かな」


彰人はそう言ってそのまま歩いた。


電車に乗って、
あたしの家の最寄り駅で降りても、
駅から家までの道を歩いている間も、


家のすぐそばで別れるまで、
彰人は一度もその手を離さなかった。

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