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寝取られ漂流記

第15章 19歳春

「あれれ、太一から何も聞いてないの?」
「はい。何も。ただ、君ならやっていけるって言われて。」
「何それー。太一も酷い事するなぁ」
「ほんとだねぇ」


二人して答えになってない答えしか返って来ない。
このままじゃよく分からないままだ。


「えっとぉ、次は今週末かぁ。茜ちゃん、予定は空いてる?」


壁にかかったカレンダーを見ながら、
早紀さんが聞いてくれる。


「空いてますけど」
「じゃあ、土曜日の朝八時に駅前に来てくれる?多分、見せた方が早いから」


見せた方が早い?
やっぱり分からない。


旅行サークルだし、駅前って事はどこか旅行にでも行くのかな。


「分かりました」


あたしは結局、そう答えるしかなかった。

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