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寝取られ漂流記

第21章 20歳秋

ロッカールームで荷物を預けるとエントランスに出る。
エントランスは薄暗い灯りが点けられたかなりの大きさで、
バーのカウンターやステージなどがある。


あたしの勝手な想像では至る所で始まってるかと思ったのに、
みんなお酒をすすりながら談笑している。
一見、普通のバーと違わない感じだ。


あたしは彰人に引っ張られるようにしてバーカウンターに座る。


「なんか緊張して損した気分」


彰人があたしにそんな事を耳打ちする。
確かにあたしもなんだか拍子抜けした感じだ。


「何になさいますか?」


カウンターに立つお店の人に問われ、適当なお酒を頼む。
注文したお酒はすぐに出てきて、
あたしは彰人と乾杯した。





「茜、周りをよく見て」


しばらくそうしていると、周りのお客さんの様子が変わってくる。


隣のカップルは、男のズボンのジッパーだけを下ろし、彼女がそれをしごいてる。
後ろの男女は、彼女が彼氏の膝の上に座って胸を揉まれている。


あたし達が気づいてなかっただけで、
周りではごく自然と痴態が繰り広げられていたのだ。


「んっ」
「俺達も、ね」


すっかり雰囲気に飲まれた彰人の手があたしに伸びてくる。
あたしはそれを受け入れた。

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