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寝取られ漂流記

第21章 20歳秋

「でも、今日は必要ないみたいだからさ」


男の声をかき消すように歓声が耳に届く。
どうやらステージが終わったらしい。
チラッとステージの方を見ると、
AV女優が投げキスなんてしてた。
今からあの人と、今目の前にいる男性が撮影をするって事なんだろうか。
なんかそんな風に思うと不思議な感じがする。


「彼女いい身体してるね?」


あたしの見ていない間に男はあたしの身体を凝視していた。
咄嗟にあたしは身体を隠すようにする。


「けっこう経験豊富なんじゃない?相当ヤってるね」
「分かるんですか?」


無視しても良かったのに、
思わず聞き返してしまう。
なんで聞き返してしまったのか自分でも分からなかった。


「ま、こんな仕事してるとね服の上からだって女が脱いだ姿が見えるんだよ。経験人数とかもね」
「それ、なんかいやらしいですね」
「ハハハ、ちげーねぇや」


男は笑いながらそう言うと度の強そうなお酒を一気に飲み干した。

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