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寝取られ漂流記

第21章 20歳秋

マンションの最上階にエレベーターであがると通路的に一番奥の部屋。
そこが大和さんの部屋だった。
中は男の人が一人暮らししているにしては綺麗で、
どちらかと言えば生活感がないという表現が近い。


大和さんは部屋のほぼ中央にあるソファーにあたしを座らせると、
自分はキッチンに立ってコーヒーを入れてくれた。


「落ち着くまで好きなだけここにいればいいよ。合鍵渡しとくから」


大和さんはコーヒーをあたしの前に置くと、
隣に座ってあたしの前に部屋の鍵を置く。


「どうしてそこまで?」
「君みたいな子、ほっとけない性質なんだ。君はそんな事気にしなくていい。落ち着いたら好きに出て行ってくれていい。鍵はポストにでも入れといてくれればいいから」
「ほっとけないって」


分からない。
大和さんにははっきり言ってまったく関係のない話だ。
完全にあたしの問題。


やっぱり見返りに身体を要求されるんだろうか。


頭にそんな考えが過ぎる。
でもそれならそれで構わない。
だってあたしに出来る事なんてそれくらいしかないから。

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